Story
「本当に美人。彼女、完璧だと思わない?」と、膨大な数の一流モデルを手掛けてきたメイクアップアーティストのルビー(ジェナ・マローン)が、手放しで称賛する。売れっ子だが実は整形を繰り返しているモデルのジジ(ベラ・ヒースコート)は、「これって地毛の色? 鼻は本物? 人生って不公平」と、ため息をつく。嫉妬と羨望に満ちた彼女たちの視線の先で恥ずかしそうに微笑むのは、ジョージアの田舎町からロサンゼルスに出て来たばかりの16歳のジェシー(エル・ファニング)だ。ネットで知り合ったカメラマン志望のディーン(カール・グラスマン)が撮ってくれた写真を手にモデル事務所を訪ねたジェシーは、オーナーのロバータ(クリスティナ・ヘンドリックス)から「国際舞台で成功するわ」と保証され、すぐに契約を結ぶ。
ロバータの予言通り、気難しい有名カメラマンのジャック(デズモンド・ハリントン)も、尊大な一流デザイナーのロバート(アレッサンドロ・ニヴォラ)も、ひと目でジェシーに心を奪われる。「どうやら彼女、大スターになりそうね」と、何かとジェシーを気にかけるルビーは、自分のことのように満足そうだ。 だが、ジェシーと一緒だったオーディション会場でロバートに完全に無視されたサラ(アビー・リー)や、ロバートのショーでジェシーにトリを奪われたジジは、もはや敵意も露わにジェシーを引きずりおろそうとする。
最初はサラを優しく励まし、ジジにも気を使っていたジェシーだが、「作り物の美しさはすぐにバレる」と言い放つロバートに、「ガラスの海の中のダイヤだ」と褒め称えられ、心に秘めていた自信と野心を解放していく。いつの間にか美しさ以外は何の価値もないというファッション業界の冷酷なるオキテに、どっぷりと染まっていくジェシー。
そんな中、モーテルの怪しい管理人ハンク(キアヌ・リーヴス)に身の危険を感じたジェシーは、ルビーに助けを求める。彼女が留守番をしている大豪邸に招かれたジェシーは、ファッション業界のさらなる闇へと踏み込んでいく──。