Introduction
17歳の女子高生と75歳の老婦人。
ふたりをつないだのはボーイズラブ
さえない女子高生・佐山うららと、夫に先立たれ一人暮らしの老婦人・市野井雪。年齢も生きてきた環境も肩書も……何もかもが違う2人をつないだのは、ボーイズ・ラブ(BL)! 雪がBL漫画の表紙に一目ぼれしたことをきっかけに、決して交わるはずのなかった2人の人生がゆるやかに優しく交錯し、やがて58歳差の確かな友情が芽生える。BLがつないだ2人の友情は、無謀とも思える挑戦へと向かい、やがてある“メタモルフォーゼ”(=変身)を遂げていく――。
原作は2017年の連載開始以降、口コミでジワジワとその人気が広がり、「このマンガがすごい!2019 オンナ編第1位」「文化庁メディア芸術祭 マンガ部門新人賞」など数々の漫画賞を受賞した鶴谷香央理の同名作品。
うららを演じるのは、俳優として多くの最年少記録を塗り替えてきた国民的俳優=芦田愛菜。2010年のドラマ「Mother」(NTV)の熱演で一躍脚光を浴びてから、早10年以上。その間ハリウッドにも進出し、コンスタントに話題作に出演し続ける芦田も、現在うららと同じく女子高生に。高い演技力には定評のある芦田が、隠れBLファンで周囲に馴染めずさえない高校生活を送るうららを、瑞々しく演じている。
うららと友情を育む雪には、日本を代表する名優=宮本信子。映画『お葬式』(84)、『マルサの女』(87)などで国内外の主演女優賞を総なめにし、近年も映画、ドラマと精力的に第一線で活躍し続ける宮本が、少女のようにBLのキャラクター達に心をときめかせる愛らしい姿は必見だ。
芦田と宮本の共演は映画『阪急電車 片道15分の奇跡』(11)以来、実に11年振り。当時は孫と祖母役で共演していた2人が、今回はある意味最も強力なバディとして堂々再共演を果たす。
他にもうららの幼なじみ・紡には高橋恭平(なにわ男子)、うららと雪が大ファンの人気BL作家・コメダ優には古川琴音、雪のなじみの印刷所のおじさん・沼田には光石研と、幅広い世代の個性豊かなキャスト陣がうららと雪の友情物語を頼もしく支える。
脚本は映画『阪急電車 片道15分の奇跡』、『8年越しの花嫁 奇跡の実話』(17)、NHK連続ドラマ小説「ひよっこ」(17)、「ちゅらさん」(01)など、名作映画&ドラマを数々手がけてきた岡田惠和が担当。原作を最大限リスペクトしながら、うららと雪の微笑ましい友情とそれぞれの抱える苦悩を繊細に優しく紡ぎあげた。
監督はドラマ「妖怪人間ベム」(11/NTV)、NHKプレミアムドラマ「奇跡の人」(16)、『青くて痛くて脆い』(20)などの狩山俊輔が務め、コロナ禍で様々な制約がかかる中、無事に唯一無二の愛おしい作品を撮り上げた。
音楽を担当したのは、熱狂的なファンを持つ男女2人のバンド=T字路s。映画の劇伴は初の挑戦となる2人だが、ギターとベースで織りなす深く激しく優しい音とメロディが映画を彩り鮮烈な印象を残したうえ、ボーカル&ギターの伊東妙子はうららの母親役として俳優出演も果たしている。
また代表曲のひとつ「これさえあれば」を、今回映画主題歌として提供。映画を観終わった者を優しい余韻で包んでくれることだろう。
Story
17歳の女子高生と75歳の老婦人。二人をつないだのはボーイズ・ラブ。
年の差58歳。最初の青春、最後の青春。
うらら、17歳。毎晩こっそりBL漫画を楽しむ女子高生。
雪、75歳。夫に先立たれたひとり暮らしの老婦人。
ある日、ふたりは同じ本屋にいた。うららはレジでバイト。
雪はきれいな表紙に惹かれて漫画を手にとっていた。それがBLだった。
初めての世界に驚きつつも、男子たちが繰り広げる恋物語にすっかり魅了されてしまう雪。
そんなふたりがBLコーナーで出会ったとき、それぞれ閉じ込めていたBL愛が次から次へと湧き出した。
それからは雪の家の縁側にあつまり、読んでは語りを繰り返すことに。そして二人はある挑戦を決意する。
原作:鶴谷香央理「メタモルフォーゼの縁側」(KADOKAWA) 脚本:岡田惠和 監督:狩山俊輔
出演:芦田愛菜 宮本信子 高橋恭平(なにわ男子) 古川琴音 生田智子 光石研
汐谷友希 伊東妙子 菊池和澄 大岡周太朗
プロデューサー:河野英裕 谷戸豊 大倉寛子
製作幹事:日本テレビ放送網 制作プロダクション:日テレアックスオン 配給:日活
©2022「メタモルフォーゼの縁側」製作委員会